臨床心理学雑記

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問81 ディセプションとデブリーフィング|第一回公認心理師国家試験(2018)の過去問ふりかえり

もうすでに「過去問」と言っていいのでしょうか。

2018年9月9日に行われた第一回公認心理師試験の問題から、迷ったもの、間違ったもの、気になったものなどをふりかえっています。

 

問81は、「研究の目的を偽って実験を行い、実験の終了後に本来の目的を説明する」ことで、参加者のストレスを取り除く研究倫理上の行為をなんと呼ぶか、という設問でした。

 

 

個人情報保護

「個人情報保護」とは、名前や住所などの個人を特定しうる情報を扱う際の適正な取り扱いについて述べていることですので、この場合は当てはまりません。

ディセプション

ディセプション(deception=偽り/騙す)とは、実験の目的を最初から知らせると結果が歪むだろうと予想される場合に、本当の目的を知らせない、あるいは別の目的だと偽って実験を行うことを意味しています。

私は、「実験の参加者に生じた疑念やストレスを取り除く研究倫理上の行為」というところをちゃんと読んでなくてうっかりこれを選択してしまいました。

 

フィードバック

評価した結果を伝え直すこと、と言った意味合いですね。これは違います。

 

デブリーフィング

実験の後に被験者に与える説明を「デブリーフィング」と言います。

その実験(研究)が行われた目的であるとか、問題や仮説などが研究参加者に伝えられる必要があります。また、ディセプションがあった際に、どういう理由でそれが必要だったかも説明しなくてはなりません。

 

インフォームド・コンセント

インフォームド・コンセントとは、「十分な情報を伝えられた上での同意」といった意味を表しています。

 

臨床試験や治療について、対象者(あるいは患者・クライエント)がちゃんと説明を受けた上で、合意する・拒否することです。

 

というわけで、正解は④の「デブリーフィング」ということになろうかと思われます。

 

社会心理学会のサイトに、デブリーフィングとディセプションについて書かれていました。

 

www.socialpsychology.jp

 

追記:

「第1回公認心理師試験(平成 30 年9月9日実施分)の合格基準及び正答について」をみると、正答は④ですね。

 

 

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