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自殺対策基本法|公認心理師試験

 

自殺対策基本法とは

自殺の防止や、自死遺族への支援の充実を図ることを目的として2006年に制定された法律です。

「自殺防止対策を考える議員有志の会」による超党派議員による議員立法として成立しました。

 

2016年には「自殺対策基本法の一部を改正する法律」(改正自殺対策基本法)が成立し、自殺対策推進業務が厚生労働省に移管されています。

 

次の動画が、現在の日本の自殺対策についてわかりやすく解説していました。

「5分で分かる! 新・国の自殺対策」

 

 

自殺対策基本法の内容

 

第一条 この法律は、近年、我が国において自殺による死亡者数が高い水準で推移している状況にあり、誰も自殺に追い込まれることのない社会の実現を目指して、これに対処していくことが重要な課題となっていることに鑑み、自殺対策に関し、基本理念を定め、及び国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、自殺対策の基本となる事項を定めること等により、自殺対策を総合的に推進して、自殺の防止を図り、あわせて自殺者の親族等の支援の充実を図り、もって国民が健康で生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することを目的とする。


第一条にはこの法律の「目的」が書かれています。自殺の防止を図ること、自殺者の親族等の支援の充実を図ること、それによって国民が生きがいを持って暮らすことのできる社会の実現に寄与することなどを目的としています。
 

第二条 自殺対策は、生きることの包括的な支援として、全ての人がかけがえのない個人として尊重されるとともに、生きる力を基礎として生きがいや希望を持って暮らすことができるよう、その妨げとなる諸要因の解消に資するための支援とそれを支えかつ促進するための環境の整備充実が幅広くかつ適切に図られることを旨として、実施されなければならない

 第二条は、「基本理念」ですね。「全ての人が(・・・)生きがいや希望を持って暮らすことができるよう」「環境の整備充実」を図ることが理念としてうたわれています。

 

自殺対策基本法改正で何が変わるのか

yomidr.yomiuri.co.jp

上記の記事では、

これまで基本計画の策定は都道府県が行っていたが、市町村にも義務付けられた。新たに、全都道府県と政令指定都市に「地域自殺対策推進センター」を置き、市町村の行動計画策定やその地域の自殺者のデータ分析などを支援する。地域の自殺対策のNPOへの情報提供なども行う予定だ。その地域における自殺者の年齢層、性別、職業などを踏まえたより効果的な対策が求められる。

 と書かれていました。地域自殺対策推進センターの設置が義務付けられたということですね。

たとえば大阪では、「大阪府こころの健康総合センター」内に「大阪府自殺対策推進センター」が設置されています。

 

国立精神・神経医療研究センターを拠点として作られた「自殺総合対策推進センター」が、専門的な立場から地域の取り組みを支援する仕組みとのことです。

誰も追い込まれることのない社会をめざして|自殺総合対策推進センター(JSSC)

 

若い世代の死因は自殺が最多(自殺対策白書) 

www.mhlw.go.jp


厚生労働省の自殺対策白書(平成30年版)なども、目を通しておきたいところですね。

 

同じく自殺対策大綱も確認。

 

公認心理師と自殺対策

公認心理師法には「この法律は、公認心理師の資格を定めて、その業務の適正を図り、もって国民の心の健康の保持増進に寄与することを目的とする」と定められています。

自殺対策も、公認心理師の仕事に関わってきますので、関連する法律や自治体の政策などを理解しておく必要があります。