- 国際障害分類(ICIDH : International Classification of Functioning, Disability and Health)
- 国際生活機能分類(ICF : International Classification of Functioning, Disability and Health)
- リハビリテーションモデルからストレングスモデルへ
- 国際生活機能分類(ICF)に関する予想問題・過去問
国際障害分類(ICIDH : International Classification of Functioning, Disability and Health)
1980年にWHOが刊行した「機能障害・能力障害・社会的不利の国際分類)。「国際障害者年世界行動計画」の基本理念にも取り入れらレました。
失調・変調→機能・形態障害→能力障害→社会的不利
というモデルです。
国際生活機能分類(ICF : International Classification of Functioning, Disability and Health)
国際障害分類は、WHOにより2000年に国際生活機能分類に変更された。
- ポジティブな側面の強調
- 相互作用の重視
- 相対性の重視
が特徴。
「〜できない」ではなく、健康状態、心身機能・身体構造、活動、参加におけるよりニュートラルな「〜できる程度」を評価。
図2 国際生活機能分類(ICF)の生活機能構造モデル(2001)
岡山プライマリ・ケア学会の次の解説動画がわかりやすかったですよ。
リハビリテーションモデルからストレングスモデルへ
リハビリテーションモデル:障害の克服
ストレングスモデル:強みや積極的な社会参加に着目
国際生活機能分類(ICF)に関する予想問題・過去問
精神保健福祉士の国試にこのICFに関する問題はよく出るんだそうですよ。
ということで、精神保健福祉士の過去問が公認心理師試験の予想問題にもなりそうです。
問題57 事例を読んで, 国際生活機能分類 (ICF) の「参加制約」に該当するものとして, 最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕Eさん (49歳, 男性) は, 脳性麻痺で足が不自由なため, 車いすを利用している。 25年暮らした障害者支援施設を退所し1年がたつ。本日, どうしても必要な買物があるが, 支援の調整が間に合わない。その場での支援が得られることを期待して, 一人で出掛けた。店まで来たが, 階段の前で動けずにいる。
1 脳性麻痺で足が不自由なこと
2 階段があること
3 支援なしで外出できること
4 店で買物ができないこと
5 障害者支援施設を退所したこと
ICFでは、生活機能を
- 心身機能
- 身体構造
- 活動
- 参加
に分類し、
- 環境因子
- 個人因子
の影響を考慮して、個人の健康状態を総合的に評価・分類する基準です。
ということで、選択肢1は「心身機能」「身体構造」になるので誤り。
選択肢2は「環境因子」です。
選択肢3は「活動」
選択肢4が正解です。
選択肢5は「個人的因子」か「環境因子」に当たるのでしょうか。
---追記2022/05/22---
公認心理師試験の過去問の中で国際生活機能分類(ICF)に関する出題は次のものでした。
問93 世界保健機関WHOによる国際生活機能分類ICFの説明として、 正しいものを1つ選べ。
1 分類対象から妊娠や加齢は除かれる。
2 医学モデルと心理学モデルに依拠する。
3 社会的不利が能力障害によって生じるとみなす。
4 生活上のプラス面を加味して生活機能を分類する。
5 心身機能・構造と活動が、それぞれ独立しているとみなす。
第4回公認心理師試験
問126 WHO世界保健機関による ICF国際生活機能分類の障害やそ の支援に関する基本的な考え方について、正しいものを1つ選べ。
1 生活機能と障害の状態は、健康状態、環境因子及び個人因子が相互に影響し合う。
2 生活機能の障害は、身体の機能不全によって能力低下が引き起こされる中で生じる。
3 障害とは、心身機能、身体構造及び活動で構成される生活機能に支障がある状態である。
4 障害とは、身体的、精神的又は知的機能のいずれかが一般の水準に達しない状態が継続することである。
5 障害への心理的支援においては、診断名ではなく、生活の中での困難さに焦点を当てることが重要である。
第1回公認心理師試験