臨床心理学雑記

最近は心理学・臨床心理学あたりの覚書

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ギャンブル依存と公認心理師への期待

BLOGOSにこんな記事が掲載されていました。

blogos.com

特に我々、ギャンブル業界にとって期待されるのが、これら公認心理師の方々に「国家資格を持った専門家」としてギャンブル依存対策の最前線でご活躍頂くこと。(…)

その様なギャンブル依存対策の現場において、国家資格である公認心理師の皆様にはしっかりとした知見を持って大きく活躍をして頂きたい。ギャンブル業界側の人間としてそんな期待を抱きつつ、全国2万7千人の皆様の合格を心よりお祝い申し上げたいと思います。

と、お祝いのお言葉を頂戴しております。

 

そもそもパチンコや競馬、カジノなどの適切な規制も必要なのではないかと思いつつ、これからますます適切な心理的支援も求められる分野なのでしょう。

 

少しググってみたところ、次のようなレビューがヒットしました。

 

www.ncbi.nlm.nih.gov

 

「病的なギャンブルへの心理療法のタイプ」というタイトルの論文が出てきました。

 

かいつまんで要約すると、病的賭博に対する効果的な薬物療法はまだないので(たぶんこれからもあまりなさそうなので)、適切な心理社会的な治療・サポートがこれから重要になってくるだろうということのようです。

ギャンブル依存・ギャンブル障害への心理療法には、認知行動療法、精神力動的心理療法、家族療法、セルフヘルプグループ(ギャンブラーズ・アノニマス)などがあるが、どれがもっとも有効かはまだはっきりしない、といったことが書かれていました。

 

アルコールや薬物依存の心理社会的支援と似たところがあるとするなら、心理教育と自助グループ的なサポートに、個別の心理支援(認知行動療法や力動的な心理療法)などを組み合わせて提供することが有効なのだろうと思われます。

 

Massachusetts Department of Public Health’s Practice Guidelines for Treating Gambling-Related Problems An Evidence-Based Treatment Guide for Clinicians[pdf]

というガイドラインもあったので、またゆっくり読んでみようかと思います。