発達障害者向けのソーシャルスキルトレーニング(SST)のVR支援プログラムが開発されたとの記事です。
「emou(エモウ)」と名付けられたVRプログラムで、「利用者は社会生活における様々な場面を、実際の空間で体験しているかのように何度でもトレーニングができる」とのことです。
公式サイトでは次のように紹介されていました。
「emou」は、学校生活や職場などの日常生活の中で欠かせないソーシャルスキルを、VRのリアルな仮想空間内で何度でも体験トレーニングを行うことができる発達障害支援プログラムです。利用者は、これまでのワークシートやロールプレイでは再現が難しかった社会生活における様々な場面を、まるで実際の空間で体験しているかのようにして、何度でもトレーニングすることができます。
プレスリリースはこちら。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)とは、対人関係や集団行動のための社会的なスキルを学ぶためのトレーニングですが、これまでのSSTではロールプレイなどが中心で、支援スタッフのスキルもばらつきがあり、効果が限定的だったとのこと。
今回開発されたVRプログラムでは、学校や社会での生活をVRでリアルに体験して、他者への適切な言語的・非言語的応答をトレーニングすることができるように工夫されています。
VRを使ったトレーニングや心理教育としては、統合失調症の幻覚などを体験できる「バーチャルハルシネーション」がありました。
発達障害の方のSSTとしてVRを使うことが、どれくらい有効なのか、これからの研究も必要になってくると思われます。
月額5万円からという料金は、ちと高いような気もしますが、普及してくるともっと安価に利用できるようになるのでしょうか。
仮想現実(VR)を用いた発達障害者の支援についての研究も検索してみました。
Using virtual reality to train emotional and social skills in children with autism spectrum disorder
自閉症スペクトラムの子供に、VRを使って情緒と社会スキルのトレーニングを行ったという研究のようです。
VR seems to be a promising asset to traditional training and therapy while the importance trainers’ or therapists’ support has yet to be further investigated.
VRの効果を認めつつも、トレイナーやセラピストの重要性についてはさらなる調査が求められるとのことでした。
そういえば一般の人が、自閉症の人の体験している世界を追体験できる映像も見たことがあります。
Carly's Café - Experience Autism Through Carly's Eyes
新年度ももう目の前で、となると8月の第2回公認心理師試験もすぐにやってきそうですね。受験される方、焦らずボチボチ試験勉強してくださいね。