臨床心理学雑記

最近は心理学・臨床心理学あたりの覚書

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集団思考と同調圧(問14)

公認心理師の過去問(第1回試験)をぼちぼちふりかえっているところです。問14は、

集団思考<groupthink>に関する説明として、正しいものをつ選べ。

 という問題でした。

集団思考<groupthink>とは、集団で何かを話し合って決めるとき、浅薄で危険な意思決定が行われる傾向を表す言葉です。「集団浅慮」と訳されることもあります。

 

 

「三人寄れば文殊の知恵」ということわざは、凡人でも三人も集まって相談すれば、知恵の菩薩である文殊のような素晴らしいアイデアが出るものだ、ということを表しています。

確かにそういうこともありますが、逆に大勢人がいるからこそ、間違った結論に辿り着いてしまうことも多いものです。

 

集団思考(group think)という言葉を、集団の心理的な特徴を示す概念として用いたのは、アーヴィング・ジャニスというアメリカの心理学者です。

ジャニスは、日本の真珠湾攻撃ベトナム戦争ウォーターゲート事件などの歴史的・政治的な出来事を調べて、集団思考についてモデルを立てました。

 

ジャニス(というとジョプリンと続けたくなりますね)

  1. 団結力のある集団が、
  2. 構造的な組織上の欠陥を抱え、
  3. 刺激の多い状況に置かれる

とき、集団思考に陥りやすいのだそうです。

① 集団内で同調圧が高いと感じるときに生じやすい。

② 集団意思決定の質は個人による意思決定に比べて優れている。

③ 集団構成員間の親密性が低いとき、思考や発言が抑制されやすい。

④ 集団で課題を遂行すると、一人当たりの成績は単独で遂行するときよ

りも低下する。

⑤ 緊急時に援助できる人が自分以外にもいる場合、自分しかいない場合

より援助行動が抑制されやすい。

 といった選択肢がありますが、①が正解となります。

④は「社会的抑制」、⑤は、「傍観者効果」の説明ですね。