よろず覚え帖。

公認心理師試験についての覚書

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ひきこもりと地域障害者職業センター:第1回公認心理師試験(2018年)過去問ふりかえり

第1回公認心理師試験(2018年)の過去問のふりかえりです。

 

問19は、

ひきこもりの支援について、正しいものをつ選べ。

という問題です。

選択肢は、

ハローワークでは、生活面での助言や障害福祉サービスの利用支援を

行う。

② ひきこもり地域支援センターは、市町村が行う相談支援業務を援助す

る機関である。

③ 地域若者サポートステーションは、早期に医療機関へのつながりを確

保する機関である。

④ 地域障害者職業センターでは、障害者手帳の所有者でなくても専門的

な職業評価と職業指導が受けられる。

⑤ ひきこもりサポーターは、長期にわたるひきこもりの当事者及び家族

を支援することを主な目的としている。

の5つでした。一つ一つ検討してみます。

 

ハローワーク

ハローワーク公共職業安定所)は、「国民に安定した雇用機会を確保することを目的として国(厚生労働省)が設置する行政機関」です。

障害のある利用者の就職に関する支援は行なっていますが、生活面での助言や障害福祉サービスの利用支援は担っていません。

福祉サービスの利用支援については、鹿児島県社会福祉協議会のパンフレットがありました。

 

ひきこもり地域支援センター

ひきこもり地域支援センターについては、厚生労働省のひきこもり対策推進事業のページに詳しく記載されています。

ひきこもりに特化した専門的な第一次相談窓口としての機能を有する「ひきこもり地域支援センター」を都道府県、指定都市に設置し運営する事業です。このセンターは、ひきこもりの状態にある本人や家族が、地域の中でまずどこに相談したらよいかを明確にすることによって、より適切な支援に結びつきやすくすることを目的としたものであり、本センターに配置される社会福祉士精神保健福祉士臨床心理士等ひきこもり支援コーディネーターを中心に、地域における関係機関とのネットワークの構築や、ひきこもり対策にとって必要な情報を広く提供するといった地域におけるひきこもり支援の拠点としての役割を担うものです。

「市町村」ではなく、「都道府県、指定都市」に設置されるのですね。

www.mhlw.go.jp

 

地域若者サポートステーション

地域若者サポートステーション(サポステ)は、

働くことに踏み出したい若者たちとじっくりと向き合い、 本人やご家族の方々だけでは解決が難しい「働き出す力」を引き出し、 「職場定着するまで」を全面的にバックアップする厚生労働省委託の支援機関

サポステ[地域若者サポートステーション]

です。

 

 

地域障害者職業センター

地域障害者職業センターでは、

障害者に対する専門的な職業リハビリテーションサービス、事業主に対する障害者の雇用管理に関する相談・援助、地域の関係機関に対する助言・援助を実施

地域障害者職業センター|独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構

しています。

障害者雇用関係のご質問と回答

というページで、「地域障害者職業センターの利用には障害者手帳が必要でしょうか」という質問に対して、「障害者手帳をお持ちでない方でもご利用いただけます」と回答されています。

というわけで、選択肢④の「障害者手帳の所有者でなくても専門的な職業評価と職業指導が受けられる」は正しいことになります。

 

 

ひきこもりサポーター

ひきこもりサポーターは、厚労省のひきこもり対策推進事業の一環として育成されています。

「ひきこもり支援に携わる人材の養成研修・ひきこもりサポート事業(平成25年度~)」

ひきこもりの長期、高齢化や、それに伴うひきこもりの状態にある本人や家族からの多様な相談にきめ細かく、かつ、継続的な訪問支援等を行うことを目的とする事業です。

具体的には、各都道府県、指定都市において訪問支援等を行う「ひきこもりサポーター」(ピアサポーターを含む。)を養成し、養成されたひきこもりサポーターを地域に派遣し訪問支援等を行うものです。また、30年度からは、市町村において、利用可能なひきこもりの相談窓口や支援機関の情報発信をするとともに、ひきこもり支援拠点(居場所、相談窓口)づくり等を行います。

ひきこもり対策推進事業 |厚生労働省

 DIAMOND onlineの次の記事では、「ひきこもりサポーター派遣事業」について詳しく紹介されていました。

diamond.jp

引きこもる本人や家族などが支援を希望した場合、「ひきこもりサポーター」を選んで、家庭を訪問し、情報提供などの支援を継続的に行おうと、国が推し進めている制度

と書かれています。

選択肢⑤の「ひきこもりサポーターは、長期にわたるひきこもりの当事者及び家族を支援することを主な目的としている」も、正解と言えるのではないかと悩ましいところです。

 

厚生労働省の文書を見てみると、「ひきこもりサポーター養成研修・派遣事業」の趣旨として、次のように書かれています。

本事業は、ひきこもり対策を推進するため、ピアサポートを含む「ひき こもりサポーター」(以下「サポーター」という)を養成・派遣し、地域に潜在するひきこもりを早期に発見し、適切な支援機関に早期につなぐことで、ひきこもりからの脱却の短期化を目指す。また、サポーターによる 対象者へのきめ細やかで継続的な相談支援によって、ひきこもり本人の自 立を推進し、対象者の福祉の増進を図ることを目的とする。

https://www.mhlw.go.jp/bunya/seikatsuhogo/dl/hikikomori02.pdf

 「地域に潜在するひきこもりを早期に発見し、適切な支援機関に早期につなぐことで、ひきこもりからの脱却の短期化を目指す」とありますので、選択肢⑤の「長期にわたるひきこもりの当事者及び家族を支援する」というところが、趣旨とずれるということのようですね。

 

ひきこもりの長期化については、次の本を読んでみたいと思っています。

地域におけるひきこもり支援ガイドブック―長期高年齢化による生活困窮を防ぐ