臨床心理学雑記

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問12「児童虐待について、正しいものをつ選べ」

第一回公認心理師試験(2018年)の過去問をぼちぼち振り返っています。まだ問12です。先は長い。。

 

問12は、

児童虐待について、正しいものをつ選べ

という問題でした。

① 主な虐待者は実父が多く、次に実父以外の父親が多い。

② 身体的虐待、心理的虐待及び性的虐待の種類に大別される。

児童虐待防止法における児童とは、歳から 12 歳までの者である。

④ 児童の目の前で父親が母親に暴力をふるうことは、児童虐待にあたる。

児童虐待防止法が制定されて以降、児童虐待の相談対応件数は減少傾 向にある。

注:「児童虐待防止法」とは、「児童虐待の防止等に関する法律」である。

 

という5つの選択肢から正しいものを選ぶことが求められています。

虐待者は母親が多い

内閣府のページ

第2節 犯罪や虐待による被害|平成27年版子供・若者白書(全体版) - 内閣府

によると、児童虐待を行なっている人の割合は次のようになっています。

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児童虐待統計

右下の表をみると、平成25年度で「実母」が54.3%、「実父」が31.9%となっています。

これは、一般的な傾向として子どもと接している時間が母親の方が長いことが影響していると推測されます。

実父による虐待の通告がだんだん増えてきているのは、面前DVも児童虐待であるという認識が広がってきたからでしょう。

 

4つの虐待

児童虐待は、

の4つに分類されています。

 

児童虐待防止法における児童とは

児童虐待の防止等に関する法律(児童虐待防止法)」では、

児童虐待の定義)

第二条 この法律において、「児童虐待」とは、保護者(親権を行う者、未成年後見人その他の者で、児童を現に監護するものをいう。以下同じ。)がその監護する児童(十八歳に満たない者をいう。以下同じ。)について行う次に掲げる行為をいう。

一 児童の身体に外傷が生じ、又は生じるおそれのある暴行を加えること。

二 児童にわいせつな行為をすること又は児童をしてわいせつな行為をさせること。

三 児童の心身の正常な発達を妨げるような著しい減食又は長時間の放置、保護者以外の同居人による前二号又は次号に掲げる行為と同様の行為の放置その他の保護者としての監護を著しく怠ること。

四 児童に対する著しい暴言又は著しく拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力(配偶者(婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にある者を含む。)の身体に対する不法な攻撃であって生命又は身体に危害を及ぼすもの及びこれに準ずる心身に有害な影響を及ぼす言動をいう。)その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動を行うこと。

児童虐待の防止等に関する法律(平成十二年法律第八十二号)|厚生労働省

 と定義されていますので、「一八歳に満たないもの」が児童とされます。

 

児童の目の前で父親が母親に暴力をふるうことは、児童虐待にあたる

いわゆる「面前DV」が心理的虐待に含まれるようになりましたので、選択肢④は正解となります。

 

面前DVという心理的虐待 - よろず覚え帖。

でも触れました。

 

児童虐待の相談対応件数は増加している

上に挙げた図の左上の表を見たらわかるように、児童虐待の相談対応件数は一貫して増加しています。

児童虐待が増えた、というよりは、これまで見過ごされてきた虐待が通告され、対応されるようになってきたということだと思われます。