公認心理師試験勉強としての個人的な覚書です。
(私も含めて)苦手な人が多い、統計に関するごくごく基礎的な知識のまとめ。
そもそも統計学って何?
イアン・ハッキングの『偶然を飼いならす―統計学と第二次科学革命』という本では、病気や自殺、はたまた身長や体重などが「数字」として扱われるようになり、社会が統計化され、偶然が飼いならされていった歴史的なプロセスが描かれていました。
とても面白い本ですが、公認心理師試験には出ません。
同じハッキングの『確率の出現』という本も翻訳が出ていますね(未読)。
該博で知られるイアン・ハッキングが、確率論史への新たな挑戦として問うた本書は、確率の歴史やその社会的影響に関する研究のブームへの火付け役となった。本書では確率の出現をパスカル等確率論史で知られた幾人かの天才達の功績とするのではなく、フーコーの考古学のスタイルを用い、1660年前後の10年間に、証拠などの関連概念の変化に伴って起こった歴史的必然として、医学などとの関わりの深いその前史から鮮やかに描き出す。
これも面白そうです(でもたぶん試験には出ません)。
記述統計
記述統計とは、集められたデータの統計量(平均とか分散とか)を見て分布を明らかにし、データが示す傾向を知るためのものです。
例えば「今回の国語のテストのクラスの平均点は60点だった」といったことですね。
に詳しく説明されていました。平均値や中央値、最頻値、散布度などなど。
尺度水準
尺度水準とは、データを統計学的に分類する基準です。例えば「性別」や「学籍番号」のような「名義尺度」、マラソンの順位のような「順序尺度」、学力試験の得点差のような「間隔尺度」、重さや時間などの「比例尺度(比率尺度)」など。
推測統計
「クラスの平均点」ならすぐに出すことができますが、「日本の家庭の平均支出」や「日本の大学生の内向性の程度」などを知りたい場合に、日本のすべての家庭を調査するわけにはいかないので「推測統計」が用いられます。
母集団
知りたい集団全体を「母集団」と呼びます。上記の例でいえば「日本の家庭」や「日本の大学生」が母集団となります。
サンプル(標本)とサンプリング
その集団の一部として「サンプル(標本)」を集め、サンプルから母集団の性質を推測します。
母集団から標本を取ることを「サンプリング(標本抽出)」と言います。
一般的には「ランダムサンプリング(無作為抽出)」によって、ランダムに標本を集めます。
確率分布
確率分布(probability distribution)とは、確率変数の各々の値に対して、その起こりやすさを記述するものです。
たとえば6面体のサイコロを振ったとき、1から6の値(確率変数と言います)はそれぞれ6分の1の確率です。
11-1. 確率変数と確率分布 | 統計学の時間 | 統計WEB
正規分布
心理学でよく使用されるのが「正規分布」です。平均値を中心として、左右対称に釣鐘型になった、いわゆる「ベルカーブ」ですね。「知能」などが正規分布で表現されます(WAIS-Ⅲのシートでよく見るあれ)。
正規分布では、平均値を挟んだ1標準偏差の範囲に全体の約68.3%が含まれます。また、2標準偏差の範囲には95.4%が入ります。
信頼性と妥当性
信頼性とは
偶然や誤差によって影響を受けない程度を「信頼性」といいます。体重計に乗るたびに数値が違うと、この体重計は信頼できないということになります。心理テストでも、「昨日は外向的と出たのに、今日は内向型と判断された」となると、「このテストは信頼性がないな」と言われるわけですね。
心理尺度の信頼性を確かめる方法としては、次のようなものが挙げられます。
- 再テスト法
- 平行テスト法
- 折半法
- α係数
とりあえずここまで(;´ρ`)。
続きはまた今度。
妥当性とは
内容的妥当性
基準関連妥当性
構成概念妥当性
心理尺度
因子分析
心理学研究と統計
χ2(カイ二乗)検定
t検定
分散分析
回帰分析
*心理学統計に関する参考文献
『心理学研究法入門―調査・実験から実践まで』南風原 朝和・下山 晴彦・市川 伸一編、東京大学出版会、2001年
『心理統計学の基礎―統合的理解のために (有斐閣アルマ) 』南風原朝和著、有斐閣、2002年