よろず覚え帖。

公認心理師試験についての覚書

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問131 若年性認知症で最も多いのは? アルツハイマーか脳血管性認知症か|第一回公認心理師国家試験2018ふりかえり

速報などを参考にしながら、2018年9月9日に実施された第1回公認心理師国家試験のふりかえりをしています。

 

問131は、「認知症について、正しいものを2つ選べ」という連勝複式の設問です。

 

 

レビー小体型認知症

Lewy小体型認知症は、幻視を伴うのが特徴ですので、①は「正しい」選択肢です。

次の動画には、レビー小体型認知症の患者さんの実例が紹介されています。

  • 幻視や体のこわばり
  • うつ
  • 体の湿疹

などさまざまな症状があり、正しい診断を受けるまで時間がかかることがあると説明されていました。介護者の不安や困惑へのサポートも大切です。

レビー小体型認知症の患者は、SPECTなどの脳の検査で調べると、後頭部の血流が悪くなるのだそうです。

 


【老いるショック】『レビー小体型認知症』とは?誤診や見過ごしに注意!早期発見が大切 2016年5月3日放送

 

前頭側頭型認知症

前頭側頭型認知症とは、「ピック病」とも言われる認知症のひとつです(アーノルド・ピックという医師が報告したところからそう名付けられました)。大脳の前頭葉・側頭葉というところが萎縮することにより、性格や人格がひどく変わってしまうといった症状を呈します。抑制が乏しくなって、お店の物を取って食べたり、騒がしくなったり、常識はずれの行動をしたり、といった症状が見られます。

  • 情緒障害
  • 人格障害
  • 自勢力低下
  • 異常行動
  • 対人的態度の変化
  • 滞続症状(意味もなく同じ行動を繰り返す)

などの症状が見られます。

ピック病 | 健康長寿ネット

「運動障害」は含まれないので、選択肢②は正しくないと思われます。

 

東京都立松沢病院院長の斎藤正彦先生による解説動画がわかりやすかったので紹介します。


前頭側頭型認知症とは[前編]

 

血管性認知症

脳血管性認知症とは、脳梗塞脳出血によって起こる認知症です。

歩行障害、手足の麻痺、呂律が回りにくい、パーキンソン症状、転びやすい、排尿障害(頻尿、尿失禁など)、抑うつ、感情失禁(感情をコントロールできず、ちょっとしたことで泣いたり、怒ったりする)、夜間せん妄(夜になると意識レベルが低下して別人のような言動をする)などの症状が早期からみられることもしばしばあります。脳血管性認知症|健康長寿ネット

とのことなので、③は、「正しい」ということになるのでしょうか。

 

同じく斎藤先生による解説動画です。


脳血管性認知症とは

 

アルツハイマー認知症と若年性認知症

アルツハイマー認知症とは、認知症の中でも最も割合の多い(6割異常)病気です。記憶を司る海馬という脳組織などが萎縮し、認識・記憶・判断などの機能が低下します。

 

平成26年の厚生労働省による、「認知症介護研究報告書ー若年性認知症者の生活実態及び効果的な支援方法に関する調査研究事業」によると、若年性認知症で最も多いのは、アルツハイマー型となっています。

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これも「正しい」となるのではないかと思いましたが、いくつかの「速報」やツイッターの議論などでも、「正解」が別れています。

「正解が複数あるので不適切問題ではないか」との意見も見られました。

 

若年認知症の発症年齢,原因疾患および有病率の検討―愛知県における調査から―」(pdf)

を読むと、

原因疾患は全体では,アルツハイマー病(AD)(34.9%),血管性認知症(VD) (34.1%)が多く,次いで前頭側頭型認知症(5.9%),パーキンソン病(3.6%)であった.男性では VD,AD,FTD, PD の順であり,女性では AD,VD,FTD,PD の順であった.

とあり、原因疾患の「最も多い」ものは、アルツハイマー型か血管性認知症か、微妙なところなようです。

 

アルツハイマー認知症と近時記憶の障害

あるつは今型認知症の特徴の一つが、近時記憶の障害で、特に最近のエピソード記憶(いつ誰がどうした、といった記憶)が損なわれるので、⑤は「正しくない」と言えます。

 


【老いるショック】認知症①アルツハイマー型認知症とは?進行を遅らせるには 2016年5月2日放送

 

というわけで、正解は、

①と③

なのか

①と④

なのか

はたまた不適切問題なのか、

理研修センターによる正解発表が待ちどおしいところです。