臨床心理学雑記

最近は心理学・臨床心理学あたりの覚書

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LGBT(性的マイノリティ)の人たちの心理的支援|公認心理師試験

LGBT(性的マイノリティ)は生産性がない」と発言した自民党杉田水脈議員の発言に批判が広がっています。

www.huffingtonpost.jp

 

LGBTとは

「Lesbian」(レズビアン、女性同性愛者)、「Gay」(ゲイ、男性同性愛者)、「Bisexual」(バイセクシュアル、両性愛者)、「Transgender」(トランスジェンダー、出生時に診断された性と自認する性の不一致)の頭文字をとり、セクシュアル・マイノリティー(性的少数者)の一部の人々を指した総称。全ての性的少数者を指す言葉ではないため、「Asexual」(アセクシュアル、同性にも異性にも性的欲望を持たない人)の「A」、「Intersex」(インターセックス、身体的に男女の区別がつきにくい人)の「I」、「Questioning」(クエスチョニング、自分の性別や性的指向に確信が持てない人)の「Q」など、LGBT以外のカテゴリーの性的少数者を表す単語の頭文字をLGBTにつけることもある。知恵蔵

と説明されています。LGBTQと表現されていることもありますね。

 

 LGBTとカミングアウト

日本心理学界の機関紙「心理学ワールド」(78号)に、「LGBTとカミングアウト」というエッセイが掲載されています。

マイノリティには、「見えるマイノリティと見えないマイノリティ」があり、LGBTのような、一見、見えにくいマイノリティには、カミングアウトするか知らせないままにしておくか(パッシングというそうです)の選択という問題があると書かれていました。

psych.or.jp

 リスクが想定されるなら無理に多数派の人に対してカミングアウトすることはないが,当事者同士でよいので率直な感情を語り合える人がいるとよいというのが私のおすすめです。また,多数派の方に対してのメッセージは,カミングアウトしていないから見えないだけで,あなたの周りにはたくさんの見えないLGBTがいますので,いないと思って不用意な言動をしないように気をつけてください。

とまとめられています。

公認心理師のためのLGBTの理解と支援

同じ石丸さんが、「公認心理師が知っておくLGBTの理解と支援」という動画がYoutubeで講義している動画が参考になりました。

 


サンプル動画:公認心理師が知っておくLGBTの理解と支援:石丸径一郎

 

社会福祉士精神保健福祉士の国試過去問で取り上げられたLGBT

 

社会福祉士精神保健福祉士の試験対策のブログで、次のような問題を見つけました。

問題 15

性同一性障害に関する次の記述のうち, 正しいものを1つ選びなさい。

  1. 性同一性障害特例法」では, 15歳以上の性同一性障害者が, 性別取扱い変更の審判を請求できると定められている。
  2.  MTF (male to female)とは, 生物学的な性別は女性であるが, 心理的には男性であるものをいう。
  3.  治療においては, ホルモン療法や手術療法を行う前に, 望みの性別で可能な限りの社会生活を送る「実生活経験」を行うことが推奨される。
  4. 「診断と治療のガイドライン」において, 性別適合手術は, 年齢を問わず適応される。
  5.  中学校の保健体育の学習指導要領には, 性同一性障害に関する対応方法が記載されている。

第26回-精神専門15 | 社会福祉士・精神保健福祉士国家試験対策 !!

もしLGBTについて取り上げられるとしたら、公認心理師国家試験でもこのような問題が出題されるのではないかと思われます。

性同一性障害特例法 

2003年に成立した法律です。正式名称を「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」と言います。

性同一性障害者」については、次のように定義されています。

この法律において「性同一性障害者」とは、生物学的には性別が明らかであるにもかかわらず、心理的にはそれとは別の性別(以下「他の性別」という。)であるとの持続的な確信を持ち、かつ、自己を身体的及び社会的に他の性別に適合させようとする意思を有する者であって、そのことについてその診断を的確に行うために必要な知識及び経験を有する二人以上の医師の一般に認められている医学的知見に基づき行う診断が一致しているものをいう。

 ネットで見つけたニュースやエッセイなどをいくつか挙げておきます。法律だけを丸暗記するより、実例や問題などと絡めて理解した方がちゃんと頭に入るようです。

www.bengo4.com

 

www.sankei.com

こちらは、お茶の水女子大が、トランスジェンダーの学生を受け入れると発表したことに対する産経の記事。やや慎重派、というか批判的な観点からの記事だと思われます。産経だからね。

 

www.huffingtonpost.jp

こちらはこの件に関するお茶の水女子大の会見をまとめた記事です。

今回の決定を『多様性を包摂する女子大学と社会』の創出に向けた取り組みと位置づけており、今後、固定的な性別意識にとらわれず、ひとりひとりが人間としてその個性と能力を十分に発揮し、『多様な女性』があらゆる分野に参画できる社会の実現につながっていくことを期待している。

とのこと。

 

公認心理師国試対策本