臨床心理学雑記

最近は心理学・臨床心理学あたりの覚書

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カウンセラーと性的多重関係

著名な「元」臨床心理士によって、複数の女性クライエントが性的被害を受けていたとの週刊誌の報道(週刊新潮)があり、ネット上でもいくつか批判的な記事が見られます。

 

 

gendai.ismedia.jp

 

wezz-y.com

 

週刊誌で告発されたH氏は、

複数の性交渉があったことは認め、それは自身のトラウマによるフラッシュバックだったと述べている

とのことで、これが事実だったとしても、とても容認できることではありません。

 

性的多重関係については、近代、心理療法が始まった頃から問題となってきました。

危険なメソッド』(クローネンバーグ監督)という映画では、ユングと(彼の患者であった)ザビーナ・シュピールライン、そしてフロイトの関係が描かれています。

 

 

心理療法や教育分析、スーパーヴィジョンといった関係にも、性的多重関係や権力の問題(パワハラ、セクハラなどの形で問題となることもあります)などがつきまとっています。

 

性的多重関係の禁止も含む、公認心理師の倫理原則については、下記の記事でもまとめています。

職業倫理の七原則|公認心理師 - よろず覚え帖。

 

また、女性ライフサイクル研究所のホームページで、アメリカ心理学会による性的多重関係に関するレポートが翻訳されていました。

女性ライフサイクル研究所|心理療法にセックスが入ってくるとき

治療者/クライエント間の性関係が起こった時、クライエントにはまったく責任がない。それがあなたに起こったとしても、あなたが恥じたり、責められたりすることではない。たとえ、あなたの方が先に、治療者に愛情を感じ、それを表現した場合でも、同じである。あなたの愛情や関心から搾取しないことは、治療者の責任である。そのような関係は搾取であるからこそ、あなたを傷つけるのである。

 

news.livedoor.com

 

カウンセラーではなくて、精神科医ですが、心理学関係の一般書をたくさん書いている人についても、こんなニュースがありましたね。

www.buzzfeed.com