先日(2018年9月9日)実施された第一回公認心理師国家試験の問題で、わかりにくかったところとか間違えたところを中心に、自分の勉強としてふりかえりをしてみます。
に、いくつか公開されている解答速報を紹介しています。
問65
筋萎縮性側索硬化症(ALS)の症状を問う問題です。
ALSではあらわれにくい4つの症状 | ALS / LIVE TODAY FOR TOMORROW
によると、
眼球運動障害や床ずれ(褥瘡)、感覚障害といった症状は「末期まであらわれにくい」のだそうです。
となると残るは
- 認知症
- 呼吸筋障害
です。
認知症については、
認知症を伴うALS、最近の知見:概説 | ALS / LIVE TODAY FOR TOMORROW
に
かつては一般的にALSに認知症は伴わないとされてきたが、古くは認知症がごくまれにALSでみられることが海外で報告されている。
とありました。
ALSに伴う認知症の特徴は、日常生活での遂行機能(銀行に行って手順よくお金をおろすなど)障害、行動異常(問題行動)および言語障害などの症状を核とする前頭側頭型であり、病変分布から前方型認知症とも呼ばれる。前頭側頭型認知症は、記憶障害、記銘力障害、視空間認知障害および被害妄想などで特徴づけられ、病変分布が頭頂葉およびその連合野に存在する後方型認知症であるアルツハイマー病の症状とは明らかに異なっている。
とのことなので、認知症もありうるという理解でいいのでしょう。
もう一つの「呼吸筋障害」については、ALSは「呼吸筋障害を伴う進行性の疾患」ですので、より重要な症状と考えられます。
ALS患者に対するメンタルサポートとは | ALS / LIVE TODAY FOR TOMORROW
では、ALS患者のQOL向上のために、メンタルサポートが重要であることが述べられています。
ALSでは機能障害が進むに従い、メンタルサポートがますます大切になってくる。その内でも、胃瘻造設術、呼吸器使用・不使用などは、一つ一つが大きな決定事項となる。
とあるように、呼吸筋障害は、患者のOQLや自己決定にとっても重要な要因となります。
追記:
「第1回公認心理師試験(平成 30 年9月9日実施分)の合格基準及び正答について」
によると正答は④でした。公認心理師の役割の一つとして、患者さんが呼吸器を使うかどうかといった自己決定をするときのサポートが期待されている、といったことが問題の背景にあるのだと考えられます。