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公認心理師試験についての覚書

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公認心理師と診療報酬(保険点数)についての覚書

第1回公認心理師国家試験も終わり、延期されていた北海道の追加試験の日程も発表されました。

平成31年春には、最初の公認心理師が誕生することになります。

もともとこの資格は医療領域の臨床心理技術者のための国家資格という側面を持っていたので、今後、公認心理師の役割が診療報酬などに規定されていくと思われます。

 

 

 

 

みなし公認心理師

精神科医療情報総合サイト「e-らぽ〜る」には、

「診療報酬上で評価する心理職の範囲は公認心理師に統一」される。そして、最初の国家試験が行なわれる今年に関し、「従来の臨床心理技術者に該当する者を公認心理師」とみなすとの“みなし規定”が導入される見通し。

e-らぽ〜る|経営管理講座|「公認心理師」国家資格化がもたらすもの〜医療現場・医療経営に与える影響とは? (PAGE 2)

とあります。

 

臨床心理士などの民間資格を持って病院等で働いてきた臨床心理技術者は、当面の間は「みなし公認心理師」とされるということですね。

 

臨床心理技術者に関連する主な診療報酬上の評価

平成29年の厚生労働省中央社会保険医療協議会総会の資料では、「臨床心理技術者に関連する診療報酬上の評価」として以下のものが挙げられています。

今後は、公認心理師がこれらを担うことができるようになると考えられます。

精神科リエゾンチーム加算 (週1回) 300点

医療機関に以下から構成される精神科リエゾンチーム が設置されている ア 5年以上の勤務経験を有する専任の精神科医師 イ 精神科等の経験を3年以上有する、所定の研修を 修了した専任の常勤看護師 ウ 精神科病院又は一般病院での精神医療に3年以上 の経験を有する専従の常勤薬剤師、常勤作業療法士、 常勤精神保健福祉士又は常勤臨床心理技術者のうち、 いずれか1人

リエゾン」とは「連携」や「連絡」を意味するフランス語です。「精神科リエゾン」は、身体疾患に伴うさまざまな心理的・精神的問題を、他の診療科と密接に連携しながらサポートしようとします。

 

チーム医療と多職種連携|公認心理師試験勉強 - よろず覚え帖。

でも取り上げましたが、公認心理師は「多職種連携」が強調されているので、精神科リエゾンチームでの活躍も期待されていると思われます。

 

摂食障害入院医療管理加算 ~30日 200点 31日~ 100点

医療機関摂食障害の専門的治療の経験を有する常勤の医師、管理栄養士及び臨床心理技術者がそれぞれ1名以上

摂食障害の患者さんに対して、集中的・多面的な治療が計画的に提供されることを評価する加算とのことです。栄養指導や心理的サポートなどが含まれています。

 

施設基準として、

精神療法を行うために必要な面接室を有している

必要があるとのこと。

 

児童・思春期精神科入院医療管理料2,957点

・病棟又は治療室に小児医療及び児童・思春期の精神医療の経験を有する常勤医師2名以上(うち、精神保健指定医1名以上)・病棟又は治療室に専従の常勤の精神保健福祉士及び常勤の臨床心理技術者がそれぞれ1名以上

児童・思春期の精神科病棟における集中的・多面的な治療に対する評価です。

(3) 当該入院料を算定する場合には、医師は看護師、精神保健福祉士及び公認心理師等と協 力し、保護者等と協議の上、別紙様式4又は別紙様式4の2若しくはこれに準ずる様式を 用いて、詳細な診療計画を作成する。また、作成した診療計画を保護者等に説明の上交付 するとともにその写しを診療録に添付する。なお、これにより入院診療計画の基準を満たしたものとされる。

A311-4 児童・思春期精神科入院医療管理料(1日につき) - 平成30年度診療報酬点数 | 今日の臨床サポート

 とありました。

ここでも「常勤の」と定められていますので、非正規雇用の多い臨床心理技術者にとっては雇用の安定に繋がると期待されます。

 

通院・在宅精神療法 児童・思春 期精神科専門管理加算 16歳未満 500点 20歳未満 1,200点

20歳未満の患者に対する当該療法に専任の精神保健福祉士又は臨床心理技術者が1名以上

これはいわゆる個別の相談業務・カウンセリングに該当するのでしょうか?

「通院・在宅精神療法」は「当該計画において療養を担当することとされている保険医療機関精神科の医師が行った場合」に算定されることになっています。

I002 通院・在宅精神療法(1回につき) - 平成30年度診療報酬点数 | 今日の臨床サポート

しかし、こちらには「20歳未満の患者に対する当該療法に専任の精神保健福祉士又は臨床心理技術者」とありますので、精神保健福祉士又は臨床心理技術者(公認心理師)が、「当該療法」を担当して、診療報酬を算定することが可能になるということとも読み取れますね。

 

他にも、従来、臨床心理技術者が担ってきた心理検査や集団精神療法についても、いくらか変更はあるかもしれませんが、公認心理師の業務となっていくと思われます。

 

現在、医師と医師の指示を受けた看護師が行うことになっている「認知行動療法」についても、今後、公認心理師の役割が議論されていくでしょう。

 

ただし、公認心理師が保険医療に組み込まれていくことが、果たして患者さんや労働者としての公認心理師にとって、良いことなのかどうかはまだわかりません。

 

言語聴覚士精神保健福祉士作業療法士といった「コメディカル」も、国家資格化されることのメリットとデメリットはあったでしょう。

 

これまで「臨床心理技術者」は、よくも悪くも「病院の収益にはほとんど貢献できない」人員でした。20年働いている臨床心理士よりも、就職1年目の作業療法士の方が、病院経営には貢献できるのです。良くも悪くも「ごまめ」扱いで、だからこそ自由にカウンセリングができるという状況もあったと思われます。

 

でもこれからは、公認心理師として医療機関で働くからには、「診療報酬」のことを意識しなくてはならないでしょうし、病院からも「稼ぐ」ことを求められるようになるでしょう。